行政書士のブログ

行政書士 安永事務所の行政書士が、日常の業務で感じたことのあれこれを書いています

賃貸借は50年

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 前回の記事、「民法の構造」から時間が経ってしまいましたが、大まかな話から具体的な改正点の話に引き戻したいと思います。今回の民法改正は「債権法」の改正だと申し上げましたが、債権法とは何ぞやと理論を掘り下げるよりは、「売買」と「賃貸借」にかかわる部分の改正だと割り切って考えると、例えば相続財産に関してその影響が具体的に頭に浮かぶのではないでしょうか。

契約.jpgのサムネイル画像 まず、大きいのは民法604条で「賃貸借の存続期間は50年・・・」となったこと。改正前は20年となっていました。そもそも、なぜ20年となっていたかというと、それ以上長い期間については永小作権や地上権という物権が使われるだろうと期待されていたわけです。

ここで「債権」に対して「物権」というものが登場します。債権は「人の人に対する権利」物権は「人の物に対する権利」などと言いますが、つまり、物権は強い権利だということで、実際には同じよう側面があるものだということもわかります。

 借地借家法などで20年を超える賃貸借が認められていたことからそれが、我が国では以前から「賃借権の物権化」などと言われていましたが、それが民法の条文に取り入れられたと考えることができます。

 具体的な賃貸借期間については、借地借家法の適用されない「駐車場」「ゴルフ場」「太陽光発電」などの建物朱裕目的以外の土地賃貸借や、設備機械の賃貸借などについて関係してきます。ただし、改正民法施行(本年4月1日)以前の契約については改正前の規定適用になりますが、その契約更新時には改正604条2項が適用されることになります。

民法の構造

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前回の記事「民法改正」で、相続法の改正、債権法の改正と説明しましたが、民法の構造がどうなっているのかを先ずご説明しないと、学校で民法をちょっとおさらいした程度の記憶では混乱してしまうでしょうね。

民法典は下図のような構成になっています。大まかに言って、相続法と債権法で民法は構成されていると言っても、そう大きな間違いではないのですが、その中でも細かく分けた「相続法」「債権法」の改正があったわけです。

民法の体系.jpg内田貴氏「民法Ⅰ」21頁

民法改正

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2018年7月30日に相続法の改正についてこのブログで書いて以来、久しぶりに民法改正について触れたいと思います。実は我が事務所のニュースレターである「安永事務所通信」では、二度ほど特集していますから、皆さんの多くは何度も民法改正(相続法の改正)については目にされたと思います。

ところが、また最近になって「民法改正」という言葉を目にするようになったのではないでしょうか。しかも、120年ぶりというキャッチフレーズを伴っていますから、「もう民法改正なんてとっくに終わったと思ったけど」と思われたこともあるかも知れません。

今回は同じ民法でも「債権法改正」というものなんです。相続法の改正の時にはついていなかった120年ぶりには、それなりに大きな意味がありますので、追い追い語っていきたいと思っています。

既にご相談いただいている方で必要な方にはニュースレターでお知らせしていることですが、このブログでもこれから数日おきに数回にわたって書いていきますので、お暇な方はお付き合いください。

ご参考:施行時期と例外(法務省資料より)

施行時期.jpg反対の意思表示.jpg

令和二年の年が明けました。

私自身は事務所を不在にしておりますが、今年もよろしくお願いいたします。

英国離脱後のEU

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先日、英国の総選挙の結果、EU離脱を主張する保守党の圧倒的勝利を得、その支持者の意向を無視した政策を掲げたとも見える労働党は大きく後退しました。

その背景の一つが移民問題です。今回の結果を受けて英国内のスコットランドの連合離脱も話題に上っていますが、もっと切実なのはEUの統合のゆるみでしょう。そこで問題なのは、やはり移民問題で、その状況を移民の流入流出の差「純移民流入数」で比較してみましょう。

ドイツとフランスの違い

かねてより、移民を大幅に受け入れて国民の批判を浴びているメルケル首相率いるドイツは、イギリス以上に移民が流入していることがわかります。一方、盟友とも言うべきフランスはというと、ドイツ、イギリス加えてイタリアの各国に比べて移民の流入が少ないことが見て取れます。スペインやベルギーより少ないのです。

これはフランスが農業国であることと関連しているでしょうが、とてもドイツと同一の基板上で話ができるとは思えません。

また、人口だけで言えば西欧各国と肩を並べるポーランドも移民は受け入れていません。また歴史的に中核国ともいえるギリシャもしかり。このような状況を眺めている限りEUの先行きも注視する必要がありそうです。

いつも読んでいただきありがとうございます。本日の投稿で、しばらくお休みさせていただきます。

それでは、よいお年を!

移民流入数

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前回まで日本の在留外国人の数を見てきましたが、今回からは世界の移民数を見てみましょう。国連の推計人口 World Population Prospects, 2019 Revision の最新データから先ずは「純移民流入数(移民流入数から外国への移民流出数を差し引いた人数)」の絶対人数トップ20を見てみましょう。グラフ上国名がよく見えない方はカーソルを合わせて頂くと表示されますが、トップ米国の次にドイツが来ています。イギリスも4位で、移民の流入が多い国であることがわかります。日本も16位に入っています。

次に、これを人口当たりの数でトップ20を見てみると次のグラフのようになります。ここには全く米国も日本も姿を見せませんが、いわゆる欧州の中で出てくるのは、オーストリア、ドイツ、スイス、ノルウェーそしてアイルランドです。絶対的流入数も多く、人口当たりもトップグループであるドイツが移民対策に苦しんでいるのが見て取れるでしょう。

在留アジア人府県別トップ20

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東京都や神奈川県(京都・富山)など一部の都県を除けば、日本国内の在留外国人のほとんどがアジア地域出身であることが前回の記事でおわかりになったと思います。

地域別在留外国人

今回は、在留アジア人の多い都道府県をその内訳とともに見てみましょう。そうすると、やはり都道府県ごとにその実態には差があることがわかります。例えば、在留アジア人の絶対的人口の多いのはまずは東京都ですが、二位の大阪と三位の愛知では、内訳がかなり違います。大阪では圧倒的に韓国人が多く中国人が次いで多いのですが、愛知ではフィリピン人の多さが特徴です。在留フィリピン人の多さは六位の千葉まで顕著に見られます。

つぎに人口当たりのトップ20を見てみると、やはり二位は大阪なんですが、下位の府県との差は大きくはなく、韓国籍の在留外国人の大きさが際立っている割にはその他の特にフィリピン籍の人数が少ないことも見て取れます。もっと言えば、大阪、兵庫、京都の三府県は韓国籍だけではなく朝鮮籍の人数も相当数いることがわかります。

地域別在留外国人

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連日法務省による在留外国人のデータをお見せしていますが、もう少しお付き合いください。今までアジア人、特に在留韓国(朝鮮)人にフォーカスしていましたが、もう少し視野を広げて世界の各地域別に現状を眺めてみましょう。下の地域別在留外国人都道府県トップ20を見ると、絶対人数はほぼ首都圏と関西に集中していることが見えます。なかでもヨーロッパと北米はグラフ上では東京と神奈川以外は表示できないほどこの2都県に集中していて、他地域は愛知静岡に南米人が在留している他は、ほぼアジア人で占められていることも読み取れます。

カーソルを合わせて頂けば明細が表示されます

ここで 人口千人当たりの在留外国人の都道府県別人数を見てみましょう。そうすると、絶対数で比べた時ほど東京都がとびぬけて在留外国人が多いわけではないことがわかります。特に、欧米人を除いて比べると愛知県はほぼ東京都と肩を並べる水準にあることがわかります。それも特徴的なのは南米人の比率が大きいことです。アジア人だけで比較していたときは大阪兵庫が目立ちましたが、南米人を加えると愛知・三重・岐阜・静岡などの中部地区が目立ちますし、群馬も大きく存在感が出てきます。

もう一つ見えてくるのが、絶対数では東京神奈川に集中している欧米人が目立ちましたが、対人口比でみると、京都に欧米人が多く暮らしていることもわかります。また、少し富山にもその傾向があることが見て取れ、それが地域の特性ではないかと考えられそうな気がします。

都道府県別の在留外国人数

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今まで数回にわたり観光客の出入国の人数を見てきましたが、実際に私たち行政書士の業務に大きくかかわるのは、在留外国人数です。日本に入国する最初の在留許可は在外公館で取得するのが普通ですから、私たちはその延長や切り替えでお手伝いすることになります。その外国人がどこに居住しておられるのかをグラフ化してみました。全ての国籍の外国人総数であれば、圧倒的に東京都に住まわれています。これは感覚とも符合しますし、愛知がその次なのも何となくわかります。

外国人は、その殆どがアジア人なのですが、いわゆる特別永住者を含めるとその内訳には韓国(朝鮮)人が多いのではないかと感じられるかも知れませんが、実際にはそうではありません。その比較はまた別の機会にお見せすることにします。その韓国籍(朝鮮を含む)の方たちはどこにお住まいかというと、次のグラフのように圧倒的に大阪なのです。加えて東京と兵庫で日本全国の韓国(朝鮮)籍の方の半数が居住されていることになります。

私の事務所がある福岡は実感としては地域的な近さもあって、もう少し多いと感じてはいますが、実際には総数で9位なのがひとつ上がって8位になるだけです。それは、京都が11位から6位に大きく順位を上がるからです。韓国(朝鮮)人は特別永住者を中心に、大阪兵庫京都の関西地区に集中していることがわかります。ただ、人口比ではそれなりに福岡にも多く在住しておられるので、これからもその相続や結婚離婚などの民事渉外を含め、帰化申請のお手伝いは、安永事務所の業務の大きな部分を占めていくのは間違いないところです。

人口当たりの入出国

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入出国の絶対数と対人口比

このところ、主に東アジアにおける話題「アジア主要国(地域)の観光動向」「出入国の比較」を取り上げていますが、前二回とも各国(地域)の入出国数はその国(地域)の人口を考えずに絶対数だけを見てきました。これはそれなりに意味のあることで、例えば人口100人で10人が海外旅行するA国と、1万人の国で10人が海外旅行するB国を比較して航空会社が参入を検討するときには、基本的には同じ規模のマーケットであると考えるでしょう。その基本は、やはり絶対数ということになります。

一方、B国民は1000人に一人しか海外旅行ができない自国の現状を嘆き、10人に一人は海外旅行できるA国を羨むかも知れません。他の国と自国を比べる時には対人口比の数字も意味があります。

ということで、前回「出入国の比較」という記事で見たグラフを対人口比の数字に置き換えて見てみましょう。まず、出国者数は圧倒的に韓国の最近の国外観光客数の増加が目覚ましいものであることがわかります。特に先日の記事「アジア主要国(地域)の観光動向」では中国の圧倒的な数に埋もれてよく感じられなかったものです。逆に言うと、中国は国内的な感覚ではやっと日本の状況に追いついてきたところでしょうか。

次に入国者数はおそらく中国人観光客の動向に翻弄された韓国の動きはやはり顕著ですが、「どこを見ても外人だらけ」と嘆きの声も聞こえる日本以上の状況に以前からあったことがわかります。一方、中国国内においては、地方で外国人を見かけることは殆ど無かった過去の日本と同じかそれ以下の状況が安定的に続いています。実数的には観光客は日本より圧倒的に中国に向かっていたのですが、中国国内での外国人観光客のプレゼンスは大都市を除けばさほどでもない感じでしょう。