行政書士事務所を経営する「所長」が、日常の業務で感じたことのあれこれを書いています。

本籍

| コメント(0)

1298493.jpg私の取り扱いの多い、相続関連や成年後見の業務には、戸籍が非常に大きな役割を果たしています。

幕末からの戸籍を何度も扱っていると、明らかに本籍地がよく移動していることに気が付きます。クライアントが「うちの本籍はここ」と信じておられるところに、ご先祖の戸籍はなく、さほど遠くはない住所から移籍を繰り返していることがままあります。

つまり、「本籍は重要な場所であるから動かさないもの」という現在よく見られる観念は、ある時期までは無かったようです。

戦前の戸籍がよく移籍を繰り返していたのは、それが「住民票」としても使われていたからです。借家住まいならまだしも、家を購入して一家を構えたなら、そこに移籍したのは当然です。

ところが、社会情勢がかわり、人間の移動が多くなると(特に徴兵の都合もあって)、戸籍制度では現住所の把握が難しくなって、市民世帯台帳を作成し、町会が把握をするようになりました。

これが戦後の住民登録法に結びついたのですが、屋上屋を重ね、とうとう戸籍制度と住民台帳制度の統合は望むべくもなくなってしまったようで、その方式の始まりは日中戦争にあったわけです。

コメントする

この記事について

このページは、所長が2018年12月 3日 20:29に書いた記事です。

ひとつ前の記事は「韓国法でも反致が」です。

次の記事は「平日だけど」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。