表題部所有者不明土地

行政書士が遺産分割協議書作成業務で影響を受けている「所有者不明土地関連法」の成立(令和3年4月21日成立、同月28日公布)より少し前、令和元年5月17日に成立し24日に公布された「表題部所有者不明土地の登記及び管理の適正化に関する法律」というものがあります。

 前者が相続登記の義務化などを柱として、所有者がわからないものを何とかしようとするものであるのに対し、後者は名称の「表題部・・」が表すように、そもそも登記が不完全であるものを何とかしようというもので少し次元が違うものです。

 そこで、現在の不動産登記簿の成立の歴史から表題部というものを詳しく説明をしたいところですが、それは別の機会にして、簡単に言えば「旧土地台帳制度化における所有者欄(これが表題部所有者)の氏名・住所の変則的な記載が、昭和35年以降の土地台帳と不動産登記簿との一元化作業後も生き継がれたこと」による不完全が発生したもので、相続登記が行われるということ以前の日本の不動産登記が抱えている問題の一部ということになります。

 この問題の解決のために法律の制定以来各法務局が取り組んでいますが、福岡法務局で重点取り組み地域を令和元年から主に朝倉市地域(那珂川市、大牟田市、大木町、川崎町、筑紫野市)を選定して取り組み、令和4年に入り10か所ほどの土地の表題部所有者の登記を行いました。そのうちの一つが下の画像にあるものです(個人名は薄く消しています)
 このように、地目が墓地であることが代表的な例となります。

 実は、この表題部所有者は所有権の登記名義人ではありません。登記簿に所有者が二種類あるというのは、ほとんどの方は意識もしていませんし知りもしません。日本の不動産登記には公示力はあっても公信力は無いということも全く知られていないということは問題ですが、それはまた別の機会に少しご説明したいと思います。

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